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Meet the world on the web

2005.12.21
喜住明美

ネイティブから見た「おかしなニッポン」~funny English の傾向と対策~

前回のコラムで、オリンピックを控えた北京での、間違いだらけの英語標識を修正するキャンペーン、"Use Accurate English to Welcome the Olympics"についてお話しましたが、これは日本にとっても決して他人事ではありません。観光スポットで、ホテルで、駅でと、ネイティブから見たfunny Englishが街に溢れています。これらを取り上げたサイトが数多くありますので、今回はそのご紹介をしながら、日本人がどのような間違いを起こしやすいかを検証してみたいと思います。

Funny English Mistranslations (http://www.esatclear.ie/~irish.trade/bj000002.htm) では、東京のあるホテルでの注意書きが紹介されています。"Is forbitten to steal hotel towels please. If you are not person to do such thing is please not to read notis." 直訳すると、「ホテルのタオルを盗まないでください。あなたがそんなことをするような人でない場合は、この注意書きを読まないでください。」となります。日本人の立場からすると、この訳者が言いたかったことは分からないでもありません。ホテルのタオルは持ち帰らないで欲しい、しかしそれをあからさまに言うのは失礼なのでは・・・といった気持ちが文面から読み取れます。しかしネイティブ宿泊客にとっては、「盗むな」と言われたり、読んでから「読むな」と言われたりと、大変困った文章です。丁寧に何かをお断りしたいときは、「禁止すること」に着目するのではなく、「できること」を表現するという方法があります。例えば、"Towels are for hotel use only."というように、ホテルの中で使ってくださいと言えばいいわけです。また、"Please do not take towels from the hotel."「ホテルからタオルを持ち出さないようにお願いします」とすると、より丁寧な表現になります。その他にまだ、スペルミスもありますので探してみてください。

先ほどのサイトは、世界各国で見られるfunny English を紹介していますが、Engrish.com (http://www.engrish.com/)は、「日本専門」のサイトです。サイト名がEnglish ではなく、Engrishになっているのはもちろん、「日本人はR(アール)とL(エル)の区別ができない」からでしょう。このサイトでは、レストランなどで見られる「珍品」を紹介しています。French flies、Badweiser、Livebeer〜フランスからやって来たハエ、悪いビール、生きているビール〜恐らく最初の二つについては、本当はフレンチポテトにバドワイザーと言いたかったのだと分かってもらえそうですが、日本語を理解しないネイティブは、「生」がLiveになったとは気付かないでしょう(生ビールはdraft beer)。これらを見ると日本では、日常的に使われているカタカナ英語を日本人の耳で聞こえる音通りに表記しがちなこと、また、日本語の単語をそのまま英語に置き換える傾向があると言えそうです。「裸の自分を/ありのままの自分を」というのを、naked yourself として、本当に裸になっている例もありました。

そのほかにも、InnocentEnglish.com (http://www.innocentenglish.com/)などがあり、多くの例が紹介されています。このようなミスは、なぜ日本で多く見られるのでしょうか。Engrish.com のQ&Aでも書かれていましたが、日本人の場合は英語になったとたん、それは「カッコよく」なり、内容についてはあまり気にしないということがあるようです。また、バイリンガルだというだけで、「エリート」となる日本では、何が書かれているか、何が話されているかといった内容よりも、英語で書かれている、英語で話されているという形式のほうに価値が置かれているのかもしれません。しかし、一般ユーザーの立場からは非常に楽しいサイトでも、ビジネスに携わるものとしては、決して笑えるものではありません。客に「盗むな」と堂々というホテル、ハエを出すレストランと、まじめに考えれば企業や商品価値を下げる行為を、自ら、それも気付くことなく行っていることになります。みなさんは大丈夫でしょうか。いま一度、ご自身の周りの英語に目を向けてみてください。

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